はじめに
「老いる」ということ。それは人間であれば日を追うごとに誰もが辿り着くものです。
昨今では健康番組などで「健康寿命」や「フレイル」といったワードが散見されます。
そんな中でも筆者がこの記事を読んでいる皆さんに知ってもらいたいのは「認知症」についてです。
皆さんは認知症についてどんなイメージを持っていますか?
何もできなくなった人でしょうか?
それともただの忘れん坊さんでしょうか?
確かに、認知症を発症することにより、覚えることが苦手になったり、時には大切な家族のことを忘れてしまったりすることもあるでしょう。
過去に大きな功績を残したことのある人でもそのようなことが起こります。
そして世は超高齢社会。誰もがそのような状態になる可能性があります。
ですが認知症になったからと言って何もできなくなったというわけではありません。
ご本人にはやっていて楽しいと思えることや嬉しいと思う感情も残っています。
これを読んでくださっている皆さんにはこのことを知っておいてもらいたいのです。
認知症になったからといってその人の人生は終わりではありません。
人生の途中で認知症という状態になっただけ。
そして周りの人が杖となり、必要なことを手助けすれば、ご本人は安心して暮らすことができると思います。
定義と原因
厚生労働省のホームページで認知症は「脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態」と定義されています。
そしてこの定義に書かれている通り原因は様々です。
アミロイドβやタウタンパクという異常タンパクが脳にたまり、脳細胞が破壊されたり、
脳血管障害が原因で起こったりするということが一般的によく知られています。
そしてこれらはやっかいなことに長い年月をかけてゆっくりゆっくり進行していきます。
現状、薬では治らない
これだけ医学が発達していますが、認知症は薬で治すことはできないとされています。
現行の薬では「治す」のではなく「進行を抑制する」だけです。
認知症ご本人さんご家族さんからすると治療薬は待ち望まれているかもしれませんが、
脳が小さくなったり、細胞が壊れるというのが原因なので、それをもとに戻すというのは難しいのでしょう。
認知症の症状
認知症は大きく2つに大別されます。
- 中核症状
- 行動・心理症状
中核症状には「記憶障害」「見当識障害」「実行機能障害」「失計算」など症状があります。
これらの症状は脳の萎縮や血管が詰まったことで生じるため、誰にでも現れる可能性があります。
そして行動・心理症状には「抑うつ」「独り歩き(徘徊)」「妄想」「幻覚」「暴力」「弄便」があります。
これらは本人の性格や置かれた状況、人間関係などが影響し、発症するとされています。
以上が「中核症状」と「行動・心理症状」です。次回以降の記事で細かく紹介できればと思っています。
今回のまとめ
以上、簡単ではありますが認知症の症状などについて書かせていただきました。
「認知症の状態になる」ということは、それまで当たり前にできていたことが段々と苦手になっていきます。
ご本人やご家族も、最初は戸惑うことでしょう。
ですが、多くの人が認知症の症状やその対応について、正しい知識と心構えを持てば恐れることはありません。
次回以降の記事で、それらについて触れていこうと思いますので、ぜひまた読んでいただければ幸いです。