認知症

認知症と運転免許 〜安全と尊厳の両立〜

もう運転はやめたほうがいいのでは?

家族や親類、友人が認知症を患ったとき、多くの人が考えることでしょう。

特に地方では自家用車が生活に欠かせず

運転免許=生活の自由

という側面もあるでしょう。


ですが、年齢を重ねたり、認知症と診断されたりすると、運転を続けるべきかどうか、悩ましい問題が出てきます。


今回は認知症と運転免許について私見を綴ってみたいと思います。


「認知症=すぐ返納ではない」

認知症と聞くと、すぐに「運転は危ない」と思われがちですが、実は診断されたからと言って即座に免許を返さなければならないわけではありません。


認知症にも中等度・重度などの段階があり、初期の段階では運転に必要な注意力や判断力が保たれている方もいます。


ただし、認知症の進行とともに

「信号の見落とし」

「歩行者への注意不足」

など、事故のリスクも高まるのは確かです。


周囲が「最近ちょっと危なっかしいな」と感じたときが、話し合いのタイミングかもしれません。


「免許返納」は本人の人生の大きな転機

運転免許はただの移動手段ではなく、

「自分の自由を支えてきたもの」でもあります。

だからこそ、本人にとって免許返納は大きな決断です。


場合によっては

「もう自分は役に立たないのか」

「家族に迷惑をかける存在になったのか」

そんなふうに感じてしまう方もいらっしゃいます。


また、返納を促すとき、頭ごなしに

「危ないからやめて!」と言うのではなく、

まずは本人の気持ちを受け止めることから始めるのがいいと思います。

そして、

「運転しなくても生活できる方法を一緒に考えよう」

と伝えることで、安心して次の一歩を踏み出せるようにしていくことが大切です。


地域でできる「免許を返した後」の支え

免許を返すという選択を公開しないためには、代わりの交通手段や居場所があることがとても大事です。

例えば

・福祉バスの活用

・生協の配達や移動販売の利用

・地域の集いの場(様々なカフェや体操教室など)への参加

本人の関心のある出かける楽しみを見つけることが大事です。


免許を返してもできることはたくさんある

覚えておいてほしいのは、免許を返しても

「なにもかもできなくなるわけではない」

ということです。


むしろ「今まで考えてもみなかったものが見えてくる」

と考えてもいいでしょう。


地域の活動に参加したり、家庭菜園や趣味を楽しんだり、


運転がなくても充実した日々は送れます。ただ知らなかっただけです。


免許を自主返納した人に向けて、

・タクシーの割引

・買い物支援

などの特典を用意している自治体も増えています。

こうした制度も上手に活用して、生活を楽しむ材料にしていきましょう。


おわりに

認知症と運転免許の問題は

「危ないからやめよう」という一方的な判断ではなく、

本人の気持ちと生活を大切にしながら、一緒に考えていくべきテーマだと思います。


もし身近な人の運転が心配になったら、まずは優しく声をかけてみるところから始めてみましょう。


時代は共生社会を求めています。

「支える」だけでなく、

「ともに暮らしていく」

というスタンスにシフトすることが重要です。


そしてそれは、自治体だけが考えればいいものはないと思います。

そこに住む住民や市民の団体、事業者などが共に考えていかなければ解決には向かわないと思います。



また、認知症は誰がなってもおかしくない病気です。

いつか自分もなる可能性がある。

そういう視点も持ちながら、一緒に考えていただければと思います。


ではまた。

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i-TH

徳島県在住の36歳。本とカメラとiPadが好きな影響を受けやすいインドア派。 認知症キャラバン・メイトとして地域の中で認知症の基礎知識や対応方法などを広める活動をしています。 本ブロブでは、日々の暮らしの中で得た知見や気づき、ガジェット、認知症の知識の情報発信をしていきます。 #認知症キャラバン・メイト #Gallup認定ストレングスコーチ

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