もしかして認知症かも?
「最近物忘れがひどくなってきたんだけど・・・。もしかして認知症かも?」
高齢者の会話あるあるの一つとしてよく聞きますが、実際の本人の心の中は少し心配ということもあります。
そこで今回は前半で「認知症の物忘れ」と「加齢によるもの忘れ」の違いについて、
後半では認知症の人の心の中を考えてみたいと思います。
※記事内に認知症の状態にない人のことを便宜上「健常者」と記載しています
アルツハイマー型認知症について
認知症にもいくつか種類がありますが、認知症の5~6割がこの「アルツハイマー型認知症」だと言われています。
アルツハイマー型認知症は脳の中でも記憶の役目を担っている「海馬」といわれる部分の萎縮が原因とされています。
海馬が萎縮する原因は諸説ありますが、「アミロイドβ」や「タウタンパク」などの
タンパク質のゴミが脳内に溜まることが原因とされています。
なぜそのようなゴミが脳に溜まるのかは完全に解明されたわけではありませんが、
偏食や運動不足、ストレス、過度な飲酒や喫煙がリスク項目としてあげられています。
つまり、予防としては有効なのは「規則正しい生活を心がける」ということになります。
加齢による物忘れ
まず初めに加齢による物忘れについていくつか例を出してみましょう
- ついさっきまで覚えていたことを思い出せない
- 人との約束をついうっかり忘れてしまっていた
- 今日が何曜日かすぐ出て来ない
- 昨日食べた晩ごはんを思い出すのに時間がかかる
なんだか見ていて「自分もあてはまるな・・・」と思ってしまいますが、
これは認知症の状態になくても誰にでもあることですよね。
(なんなら筆者もよくあります)
しかし加齢による物忘れは何かきっかけがあれば後で思い出せることが多いです。
認知症による記憶障害
では認知症による記憶障害はどのようなものでしょうか?
これもいくつか例を見てみましょう。
- さっきまでしていた体験自体を忘れる(晩ごはんを食べたのに食べていないと言う)
- 何度も同じことを言ったり聞いたりする
- 人生の中で大切な人の顔がわからない
これも見ていて「あ~認知症の症状でよく聞くやつだな」と思った人が多いのではないでしょうか?
ここで皆さんに一つ問いを投げかけます。
認知症によって忘れてしまう人の心はどんな状態でしょうか?
認知症の人の心の中を考えてみよう
たま~にこのような話を耳にします
「認知症の人はすぐ忘れて気楽なものね」
本当にそうなのでしょうか?
本人は心の中で「あれ?あの話って聞いてたっけ?不安だから聞いとこう」と思っているということはないのでしょうか?
健常者でも日常生活の中で記憶が曖昧で不安に思うことがあるはずです。
認知症の人も同じ人間です。そんな不安な時に周囲の人から
「何回同じことを言うの?」
と言われた日にはショックが大きいでしょう。
何しろ本人の中では初めて聞いている感覚なのですから。
対応する上で大切なのは安心感
認知症の状態にある人の対応として大切なのは
「いかに安心感をもってもらえるか」
ということです。
今は亡き私の祖父も、私に何度も同じことを聞いていました。
「~へのバス代はいくら?」
当時は大学生で認知症の知識もなかった私ですが、祖父母っ子ということが幸いし、
何度も同じ調子でやんわりと答えていました。
そして何度も同じ調子で納得している祖父。
今思えばあれで良かったんだな~とつくづく思います。
これを読んでくださっている皆さんの周りにも認知症の方がいらっしゃったら
本人の安心につながる対応を心がけてほしい
と思います。
まとめ
今回は認知症の記憶障害の確認と、認知症の人の心の中を考えてみました。
まとめとして
- 認知症の記憶障害は脳の海馬の萎縮が原因とされている
- 認知症の記憶障害と加齢による物忘れでは違いがある
- 記憶障害にある本人は不安を抱えている場合がある
- 本人に安心感を持ってもらう対応が望ましい
以上になります。
今回の記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。